Monotype Fonts でインスピレーションを得る。

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書体に携わるデザイナは、厳しい納期や限られた表現方法で仕事をしなくてはならないものです。タイポグラフィのプロジェクトではよくあることですが、非常にストレスが多く、クリエイティブなひらめきや工夫の余地もほとんどありません。
デザイナにとって特にやりがいがあって楽しいのは、条件に縛られず、たっぷり時間が取れるようなプロジェクトです。そのようなプロジェクトでは、インスピレーションが得られそうなものを自由に調べたり、制作の各ステップを通して創造性を思う存分発揮したりできます。日常生活の中でも、こうしたことは十分に可能です。出会ったアイデアをその都度メモしたり、無意識のうちにプロジェクトについてじっくり考える時間を取ったりすることができます(実際、最高のアイデアというのは、散歩中や料理中など、別のことをしているときにふと訪れる「アハ体験」として現れることがよくあります)。
自由度の高い仕事には大きなやりがいがありますが、創造の余地がありすぎると、かえって戸惑いや不安を感じることもあります。プロジェクトにおける制約や締め切りは、作業の進行に不可欠な枠組みを与えてくれますが、クライアントや共同制作者がそれを提示しない場合、デザイナ自身がその枠組みを定める必要があります。
では、創造的な探求のように曖昧で直感的なプロセスは、どこから手をつければよいのでしょうか。デザイナには各自のアプローチがあり、多くは長年の実践を通じて磨かれたものです。当社では、書体の豊かなインスピレーションが無限に湧く源として Monotype Fonts を活用する方法をご案内しています。ここでは、強力な検索および発見機能の使い方を簡単にご紹介します。プロジェクトを次のレベルに引き上げるインスピレーションを見つけてください。

デザイナに選ばれている Monotype Fonts のインスピレーションソース。
Monotype Fonts Library は、世界に名だたるフォントメーカーから 15 万を超えるフォントを収録しています。適切なツールがなければ、この膨大なコレクションを使いこなすことはほとんど不可能です(数千エーカー(数キロ平方メートル)の森林を訪れて、やみくもに歩き回って全体を把握しようとするようなものです)。だからこそ、15 万以上のフォントを自在に探すには Monotype Fonts の高度なツールを活用することがカギとなります。
類似フォントを見つける。
新しいフォントに出会うには、すでにお気に入りのフォントを手がかりにすると楽です。「類似フォント」ツールは、既存のフォントから新たなインスピレーションを得るための最も直接的な方法です。
時間に余裕があるときには、字体の特徴から、「類似フォント」をクリックして、発見の旅に出かけることもできます。この機能の使い方を詳しく知るには、簡単な動画チュートリアルで操作を一通り確認できます。
WhatTheFont で見かけたフォントを特定する。
広告やアート作品など、ふと目にした画像の中に「野生」のフォントを見つけて、気になったことはありませんか?WhatTheFont は、昔のデザイナにとっては夢でしかなかった革新的なツールです。必要なのは、調べたいフォントが含まれた画像だけ。文字部分をトリミングしてアップロードするだけで、候補となるフォント ID がすぐに提案されます。
使い方はとても簡単。Monotype Fonts のダッシュボードを開いて、検索バーのカメラアイコンをクリックするだけです。詳しい手順は、WhatTheFont の使い方をステップバイステップで解説したガイドをご覧ください。
AI のパワーを活用したフォントペアリング。
フォントペアリングは、「雰囲気」のように定義しづらい要素から、明確に視認できる外観上の特徴や、エックスハイト、字幅、ストロークコントラストといった書体上の特徴まで、さまざまな要素を見極める複雑な作業です。望む効果を生み出す絶妙な組み合わせを見つけることは、アートであり、同時にサイエンスでもあります。だからこそ、書体デザインのプロの知見をもとに訓練された AI が、この作業に最適なのです。
Monotype Fonts の新機能として、フォントの組み合わせをより自由に探せる AI エンジンが登場しました。これは、調和のとれたフォントの組み合わせとは何かを深く理解している Monotype のタイプデザイナの知見をもとに開発され、Monotype Fonts Library に収録された数千種類のフォントでトレーニングされています。インスピレーションに満ちたフォントの組み合わせを見つけるには、ペアを生成したいフォントの横に表示されるペアアイコンをクリックし、見出し用か本文用かを指定します。
フォントペアリングツールの使い方、検索時にフィルターを適用する方法、ペアをデスクトップアプリに反映させる方法などの詳細は、ヘルプセンターの記事をご覧ください。さらに、フォントペアリングのコツを学びたい方には、書体に詳しい 2 人のエキスパートが登壇した最近のウェビナーの録画をご覧ください。


Monotype Tag から探す。
AI を活用したツールはまだあります。Monotype Tags は膨大な Monotype Fonts Library を基に、社内の熟練した書体デザイナの専門知識で訓練されています。Monotype Tags を使えば、フォントを雰囲気や印象などのキーワードで検索できるため、フォント探しが簡単になります。「穏やか(serene)」「遊び心のある(whimsical)」「洗練された(sophisticated)」「高級感のある(luxury)」といったタグが現在 60 種類用意されており、好みに合った雰囲気のフォントを見つけやすくなっています。さらに今後も追加されていく予定です。Monotype Tags フィルターを使うには、フィルターバーからタグを選ぶか、検索ボックスにタグ名(またはその類語)を入力してください。
便利なツールや機能はこれだけではありません。
Monotype Fonts には、フォント探しに役立つ機能がまだまだあります。
- リスト/お気に入り:気になるフォントを見つけたら、リストに保存しておくことで、あとから簡単に見返すことができます。
- 高度な書体フィルター:フォントスタイルや視覚的特徴、書体の構造的な特性、さらには好みのフォントメーカーやデザイナで絞り込むことができます。
- 製品内リソース:当社に在籍する書体に詳しいエキスパートによる知識が次の「アハ体験」のきっかけになるかもしれません。例えば、毎年発行される『Type Trends レポート』や新着コーナーを見れば、書体の最新動向を手軽に把握できます。